自分でもわからない事。息子との会話から。
「母さんってさ、不思議だよね。会ったことも話をしたこともない人のことが、まるでよく知っているように、話を、するよね。」
「そうね、自分でもよくわかないけど、なんでかな。」
「でもさ、それがあったているというか、まるでその場にいて、話を聞いていたみたいに、相手の言動を言うじゃない。こんな風に言ったでしょう。その時のその人はって、話をしてくれるからさ。俺は、そうかそんな風に考えてくれたからあのような言い方をしたんだと納得がいくんだよね。」
「何で、そんな風に話ができるの?いつも、不思議でさ。それから、その人こんなことをしないとか、偉そうにしているけど、実際はねとか、きちんとしているけど、忘れっぽくて、時々やらかしているでしょとか。それがさ、あったっているんだよね。」
「時々、思うけど、俺ってさ、うまく母さんに操られているのかな」
いやいや、なんてこと言うのこの子はと心で思いつつ。
「そんなわけないでしょ」
「占い師をやっていると、話を聞いている相手の人物像がイメージできるのかな、よくわからないけど。
だけど、映画や動画のように目で見るという感じではないのだけど、頭の中には、その人が見えるみたいな感じなんだよね。だから、直接その場でいて話をしているというか、その人の何というかテレパシーみたいに直接話を聞いている感じかな。
それと、話をしてくれている人の相手に対するイメージが見えているというか」
「でもさ、俺の中のイメージなら、俺が感じている人物像じゃん。だけど、母さんは、全然俺が、思っていないようなことを、その相手のことで話をしてくれるじゃない。
俺が、こんな風にされて腹が立った、あの野郎と愚痴をこぼしたら、そうなんだ、嫌だったね、怒るの気持ちはわかるけど、その人って、いつもこんな感じ?と聞いてくるじゃん、そうだよというと、だと思った。
その人は、あんたにこうしてほしいと思ったからそんな言い方をしたんだよって。説明してくれるから、俺は腹が立った気持ちが、そうなんだ、じゃ、言われたことをやってみようかとか、考え方や相手の評価が変わるんだよね。
それがさ、母さんって、本当に自信をもって話をするんだよね、そこがまるで旧知の仲の人の話をしているみたいに。」
「人物像の話なんて、聞いてて、気をつけて観察していると、母さんが言った通りの言動をするから、びっくりするよ。」
「それは、数秘術を使ってるからね。それにその人の容姿などが、あったっていれば、行動や考え方が、わかるから、ある種の推理に近いのかもね。」
「そうなん?容姿や数字でそのひとがわかる?」
「だから、お前は、新人や自分の周りの人の誕生日を母さんに行ってくるのじゃない。それを聞いて、当たっていると思うからでしょ。」
「うんまあ、それはそうだけど。俺さ、其れでも不思議なんだよね、同じ誕生日の人でも違うこと言うじゃない。それこそ会ってもいないし話をしていないのに。双子なんて、同じ誕生日じゃない.それでさ、容姿も一緒でしょ。なのに、全然性格が違うことを当てるじゃないそれは何でと思うわけ。」
「そうか、そうだね、たしかにそれは不思議だね。だけどその人に関わっている数字って、誕生日が一緒だとしても違うわけだよ。ほら、友達に同じ誕生日の人いるじゃない。でもさ、全然違うでしょ、生活も、性格も。それって、かかわった親や周囲の環境の数字の影響を受けるのよ。だからね、その子を見ていたら親の数字が見えたりするわけ。」
「双子の話だけど、生まれた誕生日は一緒でも、胎児から、現世に出てきて赤ちゃんになった時の時間が違うでしょう。それから長女と次女では、1と2の数字の違い(時間)があるでしょ。だからさ、双子の友人、片方は勝ち気で、片方はおっとりしていて落ち着いているみたいな。顔は一緒でも、選ぶ服が違わない。そういうところにもその人の考えや思いが出てくるわけだよね。」
「だからね占いをする時は、その人を見ているよ。ここは不思議なんだけど、声なんかで、この人はこんな感じの人だからと、占えるかな。こう考えると、全然霊感とか関係なくって、感性かな。センスかもしれないね」
「ふ~ん、センスか。俺にはないかも」
「あら、あるじゃない。あんた自身がさ、見た目を大事にするでしょ。だらしがない恰好をしている人はどこか自分に自信がない奴だと思っていない?反対に、きちんとしている人間は,人に対してきつく自分に対しては甘いとも思っているよね。」
「確かに、それはある。それはセンスなのか?」
「そうだよ、きちんとしている人を見たら瞬時で、こいつはこんな奴じゃないかなとか思うわけだからね。それに、きちんとしている奴ほど口がうまいとか、自分を見せないとか思っていることない?
だらしない恰好をしている人でも話をしてくる様子から、こいつは格好はあれだけど、人に対する接し方から人間性を感じたりしているでしょ。それがセンスだよ。」
「だけど、か母さんは、話をしていないし見ていないじゃない?」
「そこが、引っかかるのね。どいう言えばいいかな。物事はすべて裏表があるという考え方かな。」
「そんなんで、相手のことがわかるの?意味が分からんわ」
「そうかな?あいさつをするだけでもその人の性格はわかるよ」
「いや~、母さんと話をしたら、怖いよね。何を言っても、論破されそうで。」
「それは違うよ、他人を攻撃しようと、占いをしたこともないし、人物像が見えたからと言って、攻撃はしないよ。そんなことしていたら疲れちゃう。」
「占いって、一つの物の見方を変える手段だから。今の考えと違う考えができれば解決策が見つかることもあるでしょ。」
「それはそうだね。確かに俺は母さんに相談することで、気づくことがあるし、違う言い方をしてみようとか思うからな。」
「悩みが起こるのは自分の考えと思いにとらわれているからだと思うよ。と言っても人間には感情があるから簡単ではないけどね。」
「だから母さんは、必然的に一人が好きなわけ。だってね、他人といるとその人が言ってほしいことを言ってしまうからね。疲れちゃう。人と直接かかわると、そんなことも起こるから、しんどくなっちゃう。要するに、私という人間を出せなくなって、相手が望む人を演じているという感じかな。これってしんどいでしょ」
「だからさ、あなたたち子どもと話をしているほうが気楽で楽しいよ」
「感情を出しても問題ないし、母さんの欠点もよく知ってくれているからね」
「確かにね、すき焼きに塩と砂糖を間違えてしまう人だもんね。」
「何十年前の話をしているの。あれはあれ一回限りでしょ。」
「アハハ!弘法も筆の誤り事件だね」