老人介護施設での経験で思うこと。
私は、色々な科を経験して、看護学生時代に、最後は、精神科看護師になろうと思っていた。
あまつさえ、慢性腎不全を発症し、急性期や一般病院に勤務することが、身体的に無理になった。
40代後半で、念願?の精神科看護師になった。
精神科に努めて、色々なことを考えた。
一般病院との違いに驚いた。出入りのために、全員が、鍵を持っていた。
私は、先輩の看護師から、色々なことを教えてもらった。
女性であること、初めての精神科勤務であることから、老年の男性先輩からである。この看護師は、40年務めている大ベテラン。
患者の接し方の注意をしっかりされた。
患者の前には、立ってはいけない。急に殴られることがあるから。
患者に、後ろに立たれてはいけない。女性看護師は、患者に触られたり、襲われたりするから。
一人では、絶対に患者のところに行ってはいけない。
自分の身を守ることを優先にすること。
そして、暴れる患者の対応の仕方。
この方のおかげで、一般看護師時代では経験できない時代だった。
私が、勤務していた仕事場では、現在も夫が働いている。
私が勤めていた時に、認知症病棟ができた。
私は、二年ほどしてその病棟に、配属されたのだが、その当時、純粋な認知症患者は一人だった。
あとは、長期にわたり、精神患者として入院して、高齢になった患者がほとんどだった。
しかし、現在は、施設で暴力をふるって、追い出されて入院。
自宅で、暴れて入院。
急性期病棟が、まるで、老人介護施設だ。
車いすの患者。85歳以上の高齢者。
看護師たちは、毎日おしめ交換、食事介助、入浴介助。
一度、暴力をして追い出された患者は、施設が受け取り拒否。
暴れてきた患者も、家族が、面倒を見れないと、自宅には連れて帰らない。
介護施設では、拘束行為ができないため、認知症で、おしめを外して、寝具や寝間着を汚しても、介護用の手袋さえできない。
夜中に大きな声を出して、他の入居者に迷惑がかかると、精神科に受診し、薬を出してもらっても飲まさない。
そして、精神状態が悪くなり昼夜逆転。
基本、施設は、ある程度、他人に迷惑をかけない、薬をあまり飲んでいない、医療行為のない人が、入るところである。
私は、精神科から、介護施設にパート勤務をしたのだが、介護施設では、精神科のクスリは、どんどん減らされる。
これは、精神科のクスリが、高額であること、精神科のクスリを内服させること自体が拘束になると言う考え方。
どうして、穏やかに退院したのに、介護士に暴力をして、再入院?
なん言うことはない、精神科からの眠剤を服用させず、内服薬も飲ませず。
精神薬は、高齢者には、飲ませないと言うことで、対応されたことが原因。
治療薬であって、虐待でもなければ、拘束するためのクスリではない。
精神科に勤務している時は、何で寝ないのなら、不眠役を商法されているのを飲ませていないのかと思ったら、施設の看護師が飲ませてと言う指示を出していない。
介護士たちは、薬に関しては自分達の判断では飲ませない。
そのため、飲ませず、入居者は、不眠になり昼夜逆転を起こし、夜中に騒ぐ。
介護施設では、施設が薬代、診察代などの負担となり、はっきりと言えば、持ち出しと言うことになり利益が少なくなるので、高い精神科のクスリは、極力飲ませない。
ほぼ、下剤程度。本当にびっくりだった。
心不全で入院履歴がある入居者のクスリも減らしているし、専門の病院受診もやめさせて、施設についている病院に見てもらう。
結果、何が起こるかというと、専門外の内科の医者では、心臓の病気は治療できない。
餅屋餅屋なのだ
そして、看護師の経験値が低い施設は、もっと悲惨だ。
私は、介護施設に勤務する看護師は、高齢者専門の資格を取っている人が、務めるべきだと思う。
看護師はオールマイティーではない。若い看護師や、専門分野の経験しかない看護師は、判断ができない。
最低でも、内科、神経科、老人病棟を経験したベテラン看護師でないと施設に努めるのは、無理だと思う。
特に、看護師は、医師の元で、何かあれば医師に報告して、指示のもとに看護をしているので、これはおかしいと医師に報告ができるような看護師でないと、施設には勤めるべきではないと思う。
老人介護施設を2か所勤めたが、ひどいものだ。
思ったことは、医者も看護師も、治療する気がない。
なぜって?
だって、看取りだからという。
勘違いもはなはだしい。
看取りとは、死を迎える場所が、その施設であると言うことだ、
治療を必要としないのは、終末看取りに入った人だ。
そこを勘違いしている医者や看護師が当たり前にいた。
何かあっても「看取りだから」というのだ。
高齢者に、治療が必要ないと言わんばかりだ。
さすがに、最後の施設では、「看取りの定義を、わかっているのか」と、主任的立場の正社員と口論になった。
「看取りとは、安楽にと、、、。」
「はぁ、あなたの看取りの定義は、そのように習ったのですね。わかりました。それではあなたの思い通りにされるとよいです。しかし、私はそのように勉強していません。看取りと、終末看取りの区別もついていないようですね。私は、私の仕事をします」
しばらくして、体がストレスで、体調が崩れたこともあり。1年4か月で退職した。
私が、勤務している間に、助かるべき入居者が何人亡くなったか。
我慢ならなかったのは、痴ほう患者の仲には、食べてはいけないと思ってしまう方もいると言うことがわかっていない。
食べたのに、食べていないという反対の様な痴ほう患者だ。
それをは本人が食べたくないと言っているからと、水分も、食べ物をも止めてしまい、一カ月ほどで亡くなった。
私が勤務していた時は、話をしながら、水分も、エンシュアという、高カロリーの栄養のジュースも飲ませていた。
私が勤務しない肺は、100mmも飲ませない。
介護者も、10人を一人で見ている状態で、手のかかる入居に、手が回らない状態だった。
私が、飲ませている時は500mmは飲ませるのだが、休みの翌日に行くと、記録によく飲んだと書いているので、介護記録を確認したら100mm。
嘘の記録、数量の記載がない記録。いい加減さを通り越して、あきれるしかなった。
その担当の看護師が、食事介助をしてあげればよいのだが、生活介助は介護者の仕事と思っているのだろう。助けてあげない。命令するだけだ。
健康管理は看護師の仕事だと言うのに、体温も血圧も、すべて介護者にさせる。
なぜ、看護師はしないのかと、介護者に聞いたら、自分達が介護をしているのだから、具合が悪くなるのを発見しないといけないといわれた、そして報告するのが義務だたと。
何を言っているのだろうかと。
看護師が、体温、血圧を測り全身状態を観察し、健康状態を見て、介護士に、今日の介護介助の時に注意してほしいことなどを、指示するべきだ。
看護師としての仕事を、介護士にさせてどうするのかと思っていた。
おかげで、ここに努めている時は、仕事に行くと、介護士たちから、誰それさんを見てほしい、と言ってくる。
担当看護師は休みだったけ?
見てくれるように言ったのだけど、もう帰られたので。はぁ~。うそでしょ。
私は、仕事に入ったら、入居者全員の部屋を回ることにした。
これは結構きつかったがそうでもしなければ、介護士さんたちの不安を取ってあげれない。
遅出という勤務で、パートをしていた。
午後からの勤務だったから、胃瘻の注入業務が中心、時間通りに終わらせようと思うと、途中で中断すると、長時間終わった胃瘻を吊り下げたままになる。
それを避けるためにも、まず、入京者全員の変化、問題がないかを、確認してあげないと、私の仕事ができない。
長い看護師生活で、嘘は絶対にダメだと、認識している私にとって看護をしない看護師は、一緒には仕事ができない。
専門の科にしか勤務したことがない人だったので、急変も見逃すし、異変がわからない。
施設に自分の親を入ることがあったら、家族には、看護師のレベルを知っておきなさいと言いたい。