イライラは、体に悪いと思っている。
なので、イライラしないように、しているのだけど、今日もやってしまった。
今日は、野良猫チビーズの去勢手術日。
昨日の21時から絶食して、今日の9時30分に病院。
夫に、チビ達をキャリーケースに、入れてもらうことにした。
「福ちゃんを、先に捕まえないとダメだよね」
「そうね、福ちゃんは臆病だからね」
猫部屋に、夫が行く。
「福ちゃんが、鈴のところにいる!」と大きな声。
母猫の鈴と一緒に、三階建てのゲージの屋根に、一緒にいる。
「鈴にぴったり、引っ付いているし、手が届かない。」
「足代を使えば、届くでしょ。あんたのほうが背が高いのだから」
「私が、鈴をチュールで、引き寄せているから」
「ぴったり、一緒だから無理だよ」
何を言ってんだか、じゃあ、どうするの?と心の声。
鈴に声をかけて、福ちゃんと反対のほうに、顔を向ける。
「今なら、捕まえられるでしょ」
捕まえたのはいいけど、福ちゃんがゲージにしっかり爪を立てて、離れない。
「ふくちゃん!離れない。痛い!」
大きな声を出すから、福がびっくりし、鳴き騒ぐ。
それを聞き、見てしまった鈴が「ふっー!ふうー!にゃおーん」と威嚇。
夫は、手放す。
福は怖がり、いつも寝ている棚の上に逃げる。
「あそこなら、届くでしょ」
「届かないよ」
はぁ~、さっきよりも低いところでしょうが。
鈴が、怒っている。ゲージの屋根のところから、こっちを見て、「ふー、ふー」威嚇している。
網を持って来る。鈴はこの網が嫌い。病院に行くときに私が、鈴を捕まえるのに使ったから。
網を見たとたんに、威嚇が激しい。
「鈴、何もしないから。そこにいて。大丈夫だから」
夫に、「鈴が動いたらこれでガードするから、福を。捕まえて。」
「届かないよ」
「もう何言ってんの、こっちのほうが低いし、隅っこにいるから大丈夫でしょうが。」
「もう、わかったわ。この網で、鈴の通り道をふさいでいて。」
鈴に声をかけながら、福にバスタオルをかぶせて、引き寄せる。
バスタオルをかけられた福は、少し震えているけれど、じっとしている。
キャリーケースにバスタオルごと入れて、床で遊んでいる小鉄もキャリーケースに、入れる。
鈴は、じっとわたしを見ている。
「鈴、ごめんね。びっくりしたね。病院に行かないといけないからね」
あ~あ、また、鈴に嫌われた。
やっと、少しだけ体を直接触れるようになったのに。
もう、子猫たちを飼いたいと言ったのは、あんたでしょうが!
なんで、男のくせに捕まえられない。
わぁ、わぁ、騒ぐだけで。
頭を使え。
状況を把握しろ。
もっと、猫たちの性格を見ろ。
鈴は、母性本能が強いけど、猫部屋で暮らすようになって、威嚇はするけど、攻撃はしない。
怖い怖いと言って、逃げていたらなつかないだろうが。
福は、用心深くビビりだけど、タオルなどでくるむと、おとなしくなる子だろうが。
全然、日ごろの様子を観察しない。
鈴を保護してすぐに、避妊手術に行くときも、私が捕まえた。
小鉄を保護するときは噛まれたけど、あんたが飼いたいと言ったから、キャリーケースを持ってきてくれるまで、流血しながらでも、小鉄を捕まえていた。
動物の世話をする時に多少の傷は、受けることがある。
でも、言葉が通じないのだから、万全の用意をして速やかに、対処してあげることじゃないのか。
それを、大きな図体(身長が180㎝ある)で、騒いでいるだけ。
落ち着かせるためにも、静かな声で、声を掛ければいいのに、無言で、捕まえたり、騒いだら、余計に猫が怖がる。
動物病院に行く車中で、私は、夫に文句の嵐だ。
「虫は怖い、気持ち悪い、なつかない猫は怖い、汚いものは、触れない」
「自分から可愛がる気持ちがなければ、いつまでたっても、なつくわけがないでしょうが」
「もう本当に嫌。だから、一人がいいと言っているの。全部私がするのだったら、いらないでしょうが、旦那なんて」
「何でも私がして、何でも自分でできるなら、あんたは、なんなの」
「だから言っているでしょう。わたしには男はいらない。」
「私はどんどん年を取って、できないことが多くなっていくのに、あなたはどうするの?」
「私は身長が148㎝。その私が、福を捕まえて、ちゃんとキャリケースに入れれたよね」
「あなたが、届かないと言った場所にいる福を、捕まえることができたし、福は、全然暴れなかったでしょうが。」
「なんでもできない。」
「全部私が解決するよね。」
「しようとしない、やろうとしない、考えない。」
「本当に、反吐が出るわ。」
怒りマックスで、チビーズを動物病院に連れていく。
姉さん女房だから、起こっているのではない。
息子達の言うように、私は、男運が悪いのだろう。
依存の強い男、何らかのコンプレックスのある男が寄ってくる。
私が強い女に見えるからなのだろうか。
見た目は、全然、強い女ではない。
ただ生きることに前向きで、ガッツがあるだけだ。
しっかりしている人は、何でこうも何もできない人に頼られるのだろうか。
めんどくさい。
私は、離婚を本格的に考えて動き出すと、無視しだす。全然、物を言う気がなくなり、完全に、相手にしなくなる。
二度の離婚もそうだった。
離婚するまでに我慢もするし、努力もするが、「もう、ダメだと思うと、何も言わなくなる」
こうなると、氷のように冷たい。
食事は作らないし、家庭内別居状態になる。
その状態が我慢できなくなり、夫が喧嘩を振ってくるが、相手にしない。
殴られようが、ののしられようが、知らん顔である。
無表情なのだ。冷たい人形だ。
殴っても痛い顔すらしない。不気味だよね。
だって、この状態になると何も感じないもの。
努力することも許して歩み寄ることもしない。
私の中で、終わっているから。
あとは、タイミングだけだ。