わたしは、子供の頃は大変親孝行な子供だった。
親の事情などは、子供の頃はわかりません。二人の妹が養女に出された事も、
家が貧乏なことも。私達姉妹がしばらく、戸籍がなかったことも。
ただ、大人になって働き出して、結婚して、子供ができて、わかったことは、両親は、
自分達のことしか考えていなかったのだと。
わたしは、身体が弱かったらしい(本人に自覚なし)、そのせいかよくわからないが
祖母や母と、一緒にいて、洗濯や料理を手伝っていた。
幼稚園に入る前まで、大阪に住んでいた。
その当時、母親が若い男性と駆け落ちして、父親が捜していたことがある。
両親がいないので、姉と妹と私の三人。食べるものがなくて。
この頃の八百屋さんは、人情があったのか、私は捨ててしまう野菜を貰って、
何を作ったのかは覚えていないんだけど、多分たいただけだと思う。
4歳で、初めて料理をした。
このような状態が、どのくらいあったかはわからないけど、この時期に、
姉と私が、養護施設に入れられたのだと思う。
幼かったけれど、親から離れて暮らすことは、悲しいことだった気がする。
養護施設から引き取られて、しばらくして、四国に引っ越しをした。
多分、お金がなく母方の家に厄介になるためだったからだと思う。
祖父がなくなるまで、大所帯の中で育った。
祖父が亡くなって、両親と私達子供三人の生活になる。
四国に戻って、長男が産まれている。
わたしは、天然だったのか馬鹿だったのか、
貧乏であることも、そのために、たまにご飯がたべれなくても。
弟の世話を、家の事もしていた。
母親は、夜の仕事をしていた。
父親は、働いていたが、どこの職場も長続きしなかった。
母がホステスをしていたので、たまにひものような生活をしていたように思う。
両親は、どっちもどっちという夫婦。
母親は、とにかく自分のことだけで、母親らしいことはしなかった。
午前様で帰ってきて、夕方まで寝ている。
当然、食事や洗濯など一切の家事をしない。
必然的に、わたしが家事をしていた。
姉は、両親に可愛がって育っているためか今もわからないけど、
わがままだった。弟の世話も家の事もしないひとだった。
わたしは、家事をするのは全然苦にならず、母親が喜んでくれるのが嬉しかった。
子供の頃のことなので、時系列や若干不明瞭なところがあるが、
両親は、呼べばすぐ返事をして、動く私に何かと用事をさせた。
とにかく、姉は貧乏なんて関係ない、自分の思い通りにしていた。
家の手伝いなんて、絶対にしない人だった。
人は、嫌な顔をせず動く相手は、便利よく使うものである。
父親が出稼ぎに出ている頃、母親は夫がいない間に好き勝手していた。
私に、千円渡し、何日間帰ってこない。
私は、姉と弟の食事を作り、いつ帰ってくるかわからないから、
できるだけお金を使わないで、食事を作っていた。
ネグレストな母親である。
仕方がないと言えば仕方がない人なのかもしれない。
母親は、子供の頃のからお嬢様だったようで、なんの苦労もしていないひとで、
夜の仕事も毎夜社交界に、出ているような感覚。
綺麗なカッコをして、男にちやほやされ、楽しく飲んで、踊って、おいしものを食べて、お金をもらえる。
母親には、天職だったと思う。
そんな両親なんだけど、二人とも、子供に暴力を振るうことがなかったから
私は、貧乏であっても苦にならなかった。
母親は、一緒にいるときは、不思議な人で、怒ることがない人で、私はいつも褒めてもらっていた。
夕方仕事に出る準備をしている時でも、化粧をしながらトランプをしてくれる人だった。
私達子供にとって、ご飯を作ってくれなくても、いつも優しく笑ってくれている母親は
最高だったのかもしれない。
綺麗な人だったから、自慢だった。それで怒ることがない人なのだから。
母はある意味放任主義の人だったけれど、子供の話を嫌がらず聞いてくれる人だった。
そんな母のおかげだと思うのだけど、勉強をしなさいとかうるさく言われず、
育ったためか、自分らしく生活する事を学んでいたように思う。
お金がないから、大人になって働いて、母を楽にしてあげようとか、早くから
将来のことを考える子供だった。
母親が、自分らしくいきていること、ホステスの仕事を楽しんでいたことは
私にとって、仕事は楽しんでするものだと、嫌々働くものではない思っていた。
このことは、看護師の仕事や、子育ての時に、「楽しむ」という事で、頑張れた。
私の後悔しない人生とは、人生を楽しむということ。
子供の頃の母親の影響だと思う。
大人になって、少し自分らしく生きる事は、
他人に迷惑をかけない。後ろ指を刺されないということが、加わった。
自分らしく生きることは、案外簡単で難しい
自分のらしく生きるということは、それを貫く強い意志が必要だから。
人は、自分にのことがわかっているようでわかっていない。
だから、他人から見える自分を気にする。
そうなると自分らしくなんて、思うことさえなくなる。
人に支配され、一人が怖い。
自分の中で、癒すことも、楽しむ事も見つけることができなくなる。
他人に甘えて、人に頼って生きて、自分らしさをなくしてしまう。
私は、家族特に子供の為に、楽しく頑張って生きてきた。
それなりに自分らしく生きてきたけど、
老春時代になって、自分の事だけ考えて生きるチャンス。
自分らしく生きる本番。
誰にも縛れず、自分のペースで生活。
これが、私のライフ(life)である。